2026/02/14
「ブラックホールは存在しない」と言ったら、何バカなこと言ってるんだ。
「ブラックホールは、既にたくさん発見されているし、最近ではブラックホールの撮影にも成功し、画像まで公開されているだよ。」
と、反論されるのは重々承知の上で、ブラックホールが存在しないという根拠について説明したいと思う。
まず、ブラックホールについて説明する。
皆さんがイメージしているブラックホールとは少し違うところがあるかも知れません。
我々がいる恒星系の中心にあるのが我らが太陽です。
この太陽、永遠に輝き続けることは出来なくて、数十億年後、地球軌道を飲み込むくらいに膨張して赤色巨星になり、その後収縮に転じて、最後には白色矮星になると予想されている。
白色矮星は、1立方センチメートルで1トンにも達する高密度の天体です。
太陽の10倍くらい重い恒星は、その生涯の最後に超新星爆発を起こし、その中心には中性子星と呼ばれる白色矮星よりもさらに高密度の天体が誕生する。
中性子星の密度は、1立方センチメートルで数億トンにも達する。
では、さらに重い恒星の最後はどうなるか?
超新生爆発を起こした後に出来るのは、中性子星よりもさらに高密度の天体、ブラックホールである。
あまりにも重力が強いため、縮退圧でも支えきれず、どんどん収縮していく。いわゆる重力崩壊である。
理論上だが、地球を半径9mmまで圧縮するとブラックホールになる。
この大きさは、あくまで数学的な特異点であり、事象の地平線(イベント・ホライズン)と呼ばれていて、この大きさをシュワルツシュルト半径という。
一般にシュワルツシュルト半径の球体をブラックホールの大きさと言われるが、実際には、シュワルツシュルト半径は収縮の通過点に過ぎず、さらに収縮を続ける。
何故か?
それは、内側から支えるどんな力も重力に勝つことが出来ないためである。
恒星は潰れ続けて、最後には、大きさは0(ゼロ)まで潰れるのである。
そして、その場所には、何もないが、巨大な重力だけが残るのである。
少々自論も含むが、これがブラックホールの真の姿である。
なーんだ。大きさが0(ゼロ)だから「ブラックホールは存在しない」って言っているのか。
いや、そうではない。この話にはまだ続きがある。
星が収縮していく過程で、その星の表面の重力はどんどん強くなります。
収縮していく星の重力が強くなっていくと言っても、その星から離れた場所の重力が強くなるわけではありません。
例えば、現在の太陽がブラックホールになったとしても、地球がブラックホールに吸い込まれることはなく、いまま通りブラックホールのまわりを公転周期365日で回ります。
地球の重力で考えると、地球から離れていると重力は弱い。
地球に近づくと徐々に重力は強くなっていき、地球表面で重力は最大となる。
地面に穴を掘って、地球の中心に向かって進んでいくと重力は、かえって弱くなっていく。
ブラックホールなどの超高密度星の重力が強いと言われるのは、その星の本体表面に接近できるからで、どんなに重い星でも密度が低ければ、どこを探しても重力はさほど強くはないのである。
さて、ここでもし、収縮していく星の表面に人が住んでいるとします。
この星から遠く離れたところから見ると、収縮していく星の住人は、収縮すればするほど動きが遅くなって見えます。
つまり、重力が大きくなると時間の進み方が遅くなるのです。
相対性理論を知らない人には信じられないかも知れないが、重力の大きさが時間の進み方に影響を与えるのである。
実際に、地球上でも地表から数100mの高さより地表とでは僅かではあるが重力に違いがあるため、ものすごく高精度の時計で計ると、地上数100mの時計より
地表の時計の進み方が遅いことが確認されています。
重力が非常に大きい星では、この時間の遅れが顕著になってきます。
収縮して重力が非常に大きくなった星の住人にとっての1日は、この星から遠く離れたところにいる人の1年に相当することもあるのである。
SF映画「インターステラー」では、このあたりの時間の流れが正確に表現されていています。
興味ある人は、是非見て下さい。
収縮していく星の住人の動きが遅くなっていく話をしましたが、遅くなるのは人だけではありません。
収縮する速度そのものも遅くなっていくのです。
そして、シュワルツシュルト半径に達したら、星の収縮は停止します。
と言うより、シュワルツシュルト半径に達するのには、無限大の時間がかかる。
この宇宙の時間は有限なので、永遠にシュワルツシュルト半径には達しないのである。
シュワルツシュルト半径に近づけば近づくほど、収縮する速度は遅くなり、ほぼ収縮は停止する。
こんな状態の星を凍結星(Frozen Stars)という。
世間では、ブラックホールを発見したとか言ってますが、正しくは凍結星を発見したとか、ブラックホールになりつつある星を発見したと言うべきなのです。
しかし、これではインパクトが小さい。
だから、「ブラックホールを発見した」って言っているのはないだろうか。
ただ、ブラックホールも凍結星も外から見る分には、同じようなものなので、まあ間違いとまでは言えませんが。
ここのところを誤解している人が多いと思いましたので、自分の考えを整理してみた次第です。
よく、ブラックホールの中では物理学が破綻するとか、時間と空間が逆転する、なんて話をよく聞くけど、
それって、ロケットに乗って加速し続けて光速を超えたらどうなるか、という話と同じような気がする。
ロケットが速度を上げていくと、ロケットの質量がどんどん増えていって、加速出来なくなっていく。
それでも加速し続けると、限りなく光の速度に付かづくだけで、決して光速には達しないのである。
ブラックホールも光速突破も無限大時間を超える時間が必要で、それをこの有限時間の宇宙で論ずること自体意味がないように思えるのである。
ここまでで、このお話は一区切りとしますが、おまけとして、夜眠れなくなる話をしましょう。
前述で収縮していく星の住人の話をしましたが、住人本人は動きが遅くなっている実感はなく、住人は普通の時間が過ぎて行きます。
あくまでも、外から見ている人から見て遅くなっているだけで、彼らの時計はいつもと変わらず時を刻み続けているのである。
ここの住人は、星が収縮してシュワルツシュルト半径に近づいても、いつもと変わらず時を刻み続け、有限時間でシュワルツシュルト半径を突破し、星はさらに収縮を続ける。
これって、どうなの?
星の収縮を遠くから見ている人(地球人)から見て、収縮していく星の住人は、無限の未来のその先に有限時間で行ってしまうのである。
何百億年よりも遥かに遠く、絶対に到達できない未来のその先はどんな世界(別の宇宙?)で、住人はそこでいったい何を見るのだろうか?
眠れなくなりましたか?
