MC11

電動RCカー用 モータ スピード コントローラ




1.概要
 小型電動RCカーや小型電動RCボート用に設計した高周波モータ スピード コントローラ(以下スピコンと呼ぶ)です。


2.機能
 ●PWM方式 高周波 モータ スピード コントロール
 ●バック付き(ブレーキは無し)
 ●BEC付き


3.仕様
 ●Ni−Cd/NiーMH:4〜7セル
 ●負荷電流 5A (連続)
 ●BEC電圧 5.8V
 ●BEC電流 1.5A
 ●消費電流 15mA
 ●スイッチング周波数 前進約1.2kHz/後進約0.9kHz
 ●ステップ分解能 約40ステップ
 ●オン抵抗 PchFET9.5mΩ、NchFET6.5mΩ(バッテリー電圧4.5V時)
 ●外形 30*20*6.0(縦*横*高さ)
 ●重量 2.8g(コネクタ含まず)


4.回路図



4.部品表
部品番号 品番 メーカー 備考
IC1 ATtiny15L-1SC ATMEL .
IC2 PQ070XZ1HZ シャープ .
Q1 なし . .
Q2 RN1102 東芝 .
Q3 RN1102 東芝 .
Q4 RN1102 東芝 .
Q5 RN1102 東芝 .
Q6 RN1102 東芝 .
Q7 HAT2044R ルネサス・テクノロジ .
Q8 HAT2044R ルネサス・テクノロジ .
Q9 HAT1048R ルネサス・テクノロジ .
Q10 HAT1048R ルネサス・テクノロジ .
R1 チップ抵抗 1.2kΩ  1/10W . .
R2 チップ抵抗 330Ω  1/10W . .
R3 チップ抵抗 2.2kΩ 1/10W . .
R4 チップ抵抗 2.2kΩ 1/10W . .
R5 チップ抵抗 1kΩ 1/10W . .
R6 チップ抵抗 1kΩ  1/10W . .
R7 なし . .
R8 なし . .
R9 チップ抵抗 47Ω 1/10W . .
C1 チップコンデンサ 0.68uF 16V . .
C2 47uF 10V チップタンタル . .
C3 47uF 10V チップタンタル . .
C4 チップコンデンサ 0.1uF 25V . .
C5 チップコンデンサ 0.1uF 25V . .
C6 チップコンデンサ 0.1uF 25V . .


5.回路の説明
 バック付きのモータ・スピード・コントローラの回路です。
 モータを逆回転させる必要があるために、出力段はHブリッジ構成となっています。
 EFTのオン抵抗は、仕様ではPchが9.5mΩ、Nchが6.5mΩとなっていますが、バッテリー電圧が6Vあればさらに10〜20%くらい小さな値になると思われます。
 前進はマイコン内のPWMを使用し、後進はソフトウェアによるPWM制御を行なっているため、スイッチング周波数が前進と後進で異なります。初期設定により、多少スイッチング周波数とステップ分解能が変化します。ふり幅に比例してステップ分解能は大きくなり、周波数は反比例して低くなります。
 回路図上の太いラインには動力モータの大きな電流が流れますから、自作する場合はなるべく太いパターンにして下さい。
 BEC出力電圧は5.8Vとなっていますが、電源電圧が5.8V以下のときは電源電圧に近い電圧が出力されます。


6.マイコン プログラムのダウンロード
自作する方は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
圧縮形式ですので、下記ファイルをダウンロードした後、解凍してHEXファイルにしてからマイコンへの書き込みを行って下さい。
書き込みを行う際に、プログラムメモリの最終番地(0x1FF)のローバイトにOSCキャリブレーションデータを書き込んで下さい。

mc11v10.zip

設定
・FUSE bit (10101100B)
BODEN:0
BODLEVEL:1
CKSEL0:0
CKSEL1:0
RSTDISBL:0
SPEN:1

・LOCK bit (11111111B)
LB1:1
LB2:1


7.接続図(参考)



8.1使い方(初期設定方法)
 本回路は、実際にスピコンとして動作させるために、初期設定する必要があります。この設定は、1度行えば、データは不揮発性メモリに記憶されるためバッテリーを外しても消えることはありません。したがって、通常使用において毎回設定する必要はありません。また、この初期設定は、何度でも変更可能です。
 初期設定は、フルバックポジションの設定、フルハイポジションの設定、ニュートラル設定、確認のためのフルバックの順に行います。

@エンコンのトリムは中央にしておきます。
Aフタバ製プロポはリバースモードに、それ以外のプロポはノーマルモードに設定し て下さい。
B送信機のスイッチを入れ、エンコン・スティックをフルバックの位置にする。
Cスピコンのスイッチを入れて5秒待つ。
Dモータからピッと小さな確認音が聞こえたら、 すぐにエンコン・スティックをフルハイ(一番上に上げる)にして5秒待つ。
Eモータからピッと小さな確認音が聞こえたら、すぐにエンコン・スティックをニュートラルにして5秒待つ。
Fモータからピッと小さな確認音が聞こえたら、すぐにエンコン・スティックをフルバックにして5秒待つ。
G5秒後にモータからピーー(長め)と小さな確認音が聞こえる。
H以上で設定終了です。スピコンの電源を切って下さい。

注意事項
 設定途中で、モータから確認音がしなかった場合は、設定失敗です。最初からやり直して下さい。 設定をやり直す場合は、スピコン内のマイコンを確実にリセットするために、スイッチオフ時間を3秒以上とって下さい。
  スイッチを切るなどして初期設定を途中で中断した場合には、途中までの設定も無効となり、前回の設定値のままで設定変更はなされません。


8.2使い方
 初期設定が完了していれば、スイッチをONするだけで、スピコンとして動作します。


9.その他使用上の注意
 本回路はスイッチを切ることでスピコン回路、受信機、サーボ含めて電流は流れませんが、安全のため使用しない時はバッテリーを取り外しておいて下さい。


10.参考出品

@

A

B

@電気スタンドを改造した本スピコン搭載のラジコン・アヒルです。天気の良い日には近くの公園の池でラジコン・アヒルを楽しんでします。
Aアヒル(じゃなかった)ある日のこと、公園の池に本物の水鳥(黒鵜)がいました。追跡開始!!
Bうおーーーっつ。 黒鵜が反転っ!
 このあとアヒル君は、黒鵜のパンチならぬクチバシ連打を浴びたのでありました。